出張のタイミングが重なり会社の同期が久々に揃ったので、集まって居酒屋で飲んでいた。
全員で顔を合わせるのは新卒の研修時代以来。
仕事の愚痴に華が咲き盛り上がっていたうちは楽しかったのだけど、同期の一人が発した「もうすぐ子供生まれるんだよね。」の一言で話の流れが一気に変わった。
お、おめでと!うちはもうすぐ幼稚園だよ〜。
うわぁ。お金かかるね…、うちもそろそかぁ。
…は、話に入れない(;´д` )
同期は僕を除く全員が結婚してる。
同期「そう言えばオタ男は最近どうなの?」
全員の視線がこちらへ向く。
僕「…僕はまだ結婚は当分先かなぁ。(相手すらいないけど)」
同期「そうかぁ。まぁ結婚もいいことばかりじゃないからね、焦らず頑張れ!」
僕「( ˘•ω•˘ )..うん。」
なんだか妙に上から目線のセリフが鼻につき、少しムッとしてしまう。
ここからしばらく子供の養育費がどうたらの話が続き、飲み会はお開きとなった。
同期「もうこんな時間だしそろそろお開きとしますか!じゃあな〜オタ男!いい相手見つけろよ〜おやすみ!」
僕「( ˘•ω•˘ )..うん。」
怒りを超えて…
終電間際の電車に乗り、もやもやした気分で帰宅。飲みたりない気分だったので、冷蔵庫から缶ビールを出してそのままガブ飲みする。
ゔぁあああ!!!なんなんだよもう!みんな僕がかわいそうみたいな空気出してきてさぁ!!
結婚してるのがそんな偉いのかよ!!!(`A´)
酒が入ると余計に腹が立ってくるなぁ!!
気晴らしにアニメでも見ようとPCを立ち上げていると、同期のLINEグループから通知が。ひとこと文句でも言ってやろうと思い通知を開くと、先程の集合写真が送られてきていた。
トーク画面を眺めていると、同期たちのLINEアイコンに目が行く。奥さんの肩を抱き笑う同期、公園でにこやかに子供と遊ぶ同期、みんな幸せそう。
( ゚ ρ ゚ )…。
怒りがサーっと引き、虚しさがあふれてきた。そう…だよな。きっと同期なりに、いつまでもひとり身でいる僕を心配してくれたんだよね。
確かに最近の生活を思い返してみれば、休日は家に引きこもってアニメ、ゲーム、アニメ、ゲーム。
会社の飲み会に顔を出すことも滅多に無いし、集まって誰かとのむなんて本当に久しぶりだったし。
時々会う友人は数人いるけど、最近は仕事が忙しくて連絡をとってないしなぁ。…このままいくと、僕は本当に一人になってしまうかもしれない…
結婚まではいかなくとも、せめて…。心のそこにあった気持ちが溢れ出てくる。
…ほしい。
彼女欲しい…ほしいよぉぉ なんで僕の隣には誰もいないんだよぉ ( ;∀;)
と、悲しんでいた時、ふと頭に以前登録していた出会い系のPCMAXが頭によぎった。
で、出会い系…かぁ。
PCMAXは気軽な出会いを求めて登録している女性が多い事で有名な出会い系。
…。
賭けてみる価値はあるかもしれない。むしろ、リアルがオワコンな僕に唯一残された選択肢かも。
(;・`д・́)…ゴクリ
震える指でPCMAXのログイン画面を開く
出会いはPCMAXの「本日の女の子」
以前登録していたIDとパスワードを入力すると、トップページ画面に切りかわった。画面を上下にスクロールしていると、メニューの下にある「本日の女の子」の項目に目が惹かれた。
な、なるほど…ここに今ログインしている女の子が表示されるのか。φ(・ω・ )フムフム
スクロールしていると気になる女の子を発見!
アニメ、ハロプロが好き…?こ、これは…もしかして僕と気の合う女の子なのでは!!??
で…でも、なんてメッセージ送ればいいんだろう…
アニメオタクといっても、ライトなオタクなのかもしれないし、そもそも僕そこまでハロプロ知らないしなぁ….やっぱり今日はやめとこうかな…。
うん。僕なんかがいきなりメッセージを送ってもキモがられるかもしれないし、やっぱりやめておこう。
翌日、まさかの…
深酒したせいで翌朝は二日酔い。
あっったまいてぇ… ん?あれ、そう言えばパソコンを消してなかったっけ。メッセージ画面が開きっぱなしだったので閉じようとすると…
…え?ん?は…え..?こ、これって、向こうからアプローチをくれたって事!!?
しかも受信は10分前!!急いでメッセージを返信!!!
ソワソワしながら待ってるとすぐに返信が!
出身は僕と同じらしい!しかも、家も近いとか…もうコレは運命では!?よし、返信を..
…ん?
「ぜひ仲良くしてください!」って、この次はどうやって返せばいいんだろう…うーん….いや、でも早く返さなきゃ!彼女は絶対僕の返信を待ち構えてる!
なにか質問、質問…
あ、確かプロフィールにアニメ好きって書いてたな!!!!
よし、これなら話題も広がるし、本当に僕と気の合う女の子か確かめられる!
…なるほどね。これはちょっとライトめのオタクかもなぁ?確かめるべく、ここからちょっとディープめのアニメに話を広げて見ようかな…
でも引かれると嫌だしなあ。と考えていると…
ん?またメッセージ?
これ…マ?
め、め、めちゃめちゃいい子では?
「男性はお金かかるから」とか、めっちゃ僕に気を遣ってくれてるじゃん!返事はモチロンYES!!!!!!
IDを送りドキドキしながら待っていると…
ほ、本当に来た!!!…しかも顔写真ある!PCMAXには写真を登録していなかったので、画面越しの初対面。胸の高まりを押さえつつプロフィールのアイコンをタッチすると…
..め…めっちゃわいいンゴ!!!!(·:゚д゚:·)ハァハァ
肌はキレイだし、目はクリっとしてるし、身長はちっちゃくて可愛いし、胸がないのも良き!!(·:゚д゚:·)ハァハァ
妹キャラって感じで最高ww
というか、彼女絶対僕のこと好きでしょ!w向こうからLINEに聞いてきたってことは、僕に会いたいって事だよねぇ!
+(0゚・∀・) + ワクテカ ++(0゚・∀・) + ワクテカ +
…
…ん?(;´Д`)
1時間たっても返信が返ってこない。
ぼ、僕なんかまずい事言った?
いや、いきなりタメ語がだめだった…か?
でも、彼女は僕に気があるはずだし…
それから2時間弱何度もメッセージを見返していると、ようやく返信がきた!
よっしゃあ!!!!
見事にアポ確定!まあ、絶対にイケる事分かってたんですけどもね?( ՞ਊ ՞)というか、誘おうと思ってたとか、僕に会いたすぎではww?
どこがいい?と聞いてみると、どうやら秋葉原に行きたいお店があるらしい。
もちろん返事はおk!一緒にゲーセン行ったり、アニメショップを巡ったり、最高の週末になりそうだw
待ち合わせはオタクの聖地
迎えた待ち合わせ当日。楽しみすぎて、待ち合わせ1時間前に着いていたw
ぶらぶら家電屋をふらついて時間を潰していると、あっという間に待ち合わせ10分前に。
待ち合わせの電気街口に着くと一気に緊張が高まってきた。
いざ会うとなると、やっぱ緊張する…(:.;゚;Д;゚;.:)ハァハァ.
キョロキョロ周りを見回していると、改札から出てきた小柄な女の子がこちらに駆け寄ってきているのに気づいた。
服装はチェックのワンピースに黒のパンプス、ピンク色のバッグ…the量産型地雷系って感じ。髪は黒髪で清楚な雰囲気。
体型は写真で見ていたより2割くらいぽっちゃりしていたけど、顔は写真通り可愛かった!
「オタ男さん…ですか?」
「は、は、は、はじめすt..は..じめまして」
「あ、えっと、よろしくおねがいします (´・ω・`)」
僕と同じで緊張してるのか、ちょっと表情が硬い。
(こ、ここは男らしく僕がリードしなければ…!)
「ど、どう..も!きょ、今日はどこ行きたいんでし…た?」
「あ、(´・ω・`)その、今日はちょっとお願いがありまして…」
「…あ、…ん?へ?オネ..ガイ?」
「その..実は私、アイドルやってるんです。」
「…はい?アイドル..?( ゚д゚)ポカーン」
ん?え?..
実は出会い系で…
「すみません、そういう反応になりますよね(・ω・;)」
「え、っと。これ、見てください!」
差し出してきたスマホを見ると、目の前の女の子がフリフリの衣装を着てステージで踊っている動画が。
「え…すご..その、地下アイドル..的な?」
「そうなんです!それでですね…よかったら見に来て頂きたいな…って..?」
「え…っと?は、はい行き..ます?…」
(いや、えっと、ん?この子はアイドルで、僕にステージを見て欲しいと..?( ゚д゚)ポカーン)
「よかった!チケット代5,000円なんですけど大丈夫ですか?」
(そしてチケット代を請求してきて…?( ゚д゚)ポカーン)
ハッ!Σ(゚ロ゚;)!!
ここに来てようやく読めてきた。どうやら、この子はチケットノルマのために僕を秋葉に誘ったらしい。
確か、地下アイドルには厳しいチケットノルマがあると聞いたことがあるぞ!?
これは、釣られたってことか?╰(°ㅂ°╬)╯イラッ
「あ..の!そうやって出会い系でお客さん捕まえるの、よ…良くない!…とおもいます」
「…失礼でしたよね…ごめんなさい(´;ω;`)今月本当にノルマ厳しくて…]
すごく申し訳無さそうな上目遣いでこちらを見つめてくる。
「( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ )」
うっΣ(=ω=;)悔しいけどめっちゃ可愛い。
…ウン(-ω-`;。) ここは男らしく許すことにしよう。可愛いし。
よく考えると、こうして生の地下アイドルと話してるのも儲けものかもしれない。なにより可愛いし。
「し、仕方ない…というか…わかりました。じゃあ行きます..よ。」
「え..?いいんですか!?( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ )」
「ええ。ちょっと見てみたい気もしていますし。」
「あ、ありがとうございます!!(இ﹏இ`。)」
「場所はここから近いんですか?」
「はい!こっちです!o-(*・ω・)ギュッ」
彼女はおもむろに僕の手を握ると、ライブ会場に向かって歩きだした。
(うわぁお!お手手ちっちゃくてめちゃめちゃ柔らかい(·:゚д゚:·)ハァハァ)
彼女の策略に見事にハマった気もしたけれど、アイドルに手を握られるのはなかなか良い気分だったw
後日談
地下アイドルかぁ。と舐めていたけれど、実際にステージを見てみるとなかなか悪くなかった。
ダンスは迫力あったし、衣装も可愛かった!そしてなによりも、ステージで踊ってる子の一人とさっきまで話していたという優越感が気持ちよかったw
営業目的ではあったけれど本物の地下アイドルとLINE交換できたし、結果オーライだったんじゃないかな?笑
以下の記事にも今回みたいなちょっと変わった出会いをまとめているので、気になった人はぜひチェックしてみてね!